代表挨拶

大きな希望を抱いて子ども達は生まれてきました。

毎日少しずつ夢を現実に換えながら生きています。
決して平坦な道ではありません。
しかし、楽しさと喜びを道連れに、日々歩んでいくのです。

これは心の中の風景ではありません。
父や母の背におぶさって、自転車の子供座席に揺られながら日々通う道も同じです。
昨日会った友達のこと、楽しかった遊びのこと、そしてきっと今日も楽しく健やかな日であるだろう。
皆そう願い、信じて登園してきます。

その当たり前を大事に、豊かに育んでいかなくてはなりません。
しかし、現在その基盤となるべき安全に揺るぎが生じているのです。

儚き者を守る慈しみの心が蔑ろにされているのかもしれません。
心を配る余裕に欠けているのかもしれません。
大人の「生きる」のために、子供たちが犠牲になっているとしたらそれは悲しい社会です。

保育施設で命を落とす子供たちが、毎年少なからず存在するのです。
しかし、この重大事案を科学的に検証する制度は在りません。
日本では、亡くなった者たちを手厚い心とともに葬り去る文化だからです。
悼みを敢えて暴いてはいけないと考えるのです。

このような事案が発生すると現場状況調査や解剖が実施されます。
突然の事態に直面されたご遺族には解剖など心穏やかではないでしょう。
ですが、執刀する医師も同じぐらい重い気持ちを抱いているのです。
しかし、科学の力を借りて、心を鎮め、耳を澄まし何が起こったのかを聴こうとするのです。

「語りたまえ、我聴く」とサムエルの祈りと寸分違わぬ思いなのです。
この祈りは「二度とこのような悲しみが起きませんように」で締められるのです。

一般社団法人保育安全推進協議会では、これら重大事案を分析し、そこから抽出される危険因子や原因を基に安全対策を策定することを活動の主たる目的としています。さらに、保育士や保護者の方々の安全意識や知識の向上のために啓発活動を展開していきます。

すべての礎となる安心と安全を実現することが我々の願いです。

小保内 俊雅